独立に向けて心に火がついた瞬間
毎日一生懸命働いて遊び呆けていたある時
友人宅へ行くと帰っていない。
せっかく来たので帰宅を待っていると帰ってきた。
おー!来てたのか?
友人は相当疲れている様子だった。
話をしていると相当仕事が忙しそう。
今日はこれだけ仕事をしてきた!
とにかく大袈裟に言う。
ほんとかよ!
自分がやってる仕事とは違うものの同じ塗装の職人
彼は住宅の新築工事を
自分は小規模マンションの新築工事を
仕事は同じでも少し変わってくる。
そんな彼が、とにかく人がいない。
1人で仕事をしていたら毎日残業。
でも彼は1人で事業をやっているわけではなく
私と同じように塗装店に勤める一職人。
それでも毎日親方から言われたノルマをこなして仕事をし
そのノルマを熟すだけでも大変で
毎日朝早くから夜遅くまで仕事に追われる日々を過ごしていた。
そんな彼がとにかく手伝って欲しい。
休みの日だけでも手伝いに来て欲しい!
ということで自分も彼の仕事を手伝いに行くことにした。
自分も実際にいろんな塗装屋を転々としてきて
結構無茶なこともしてきて
自分なりにはいろんな経験をしてきているつもりでした。
そして、実際に彼のところへ仕事に行ってみると
やってることは変わらない。
でも一点違ったことがあった。
それは少人数で仕事を収めていること。
自分が二日かかってやっているような仕事を
自分も手伝ったものの、彼らはすごい勢いで終わらせた。
いつも自分がやっている仕事と比べて
スピードの違いに驚くことになった。
毎日これくらいのペースで仕事をしているという。
そして仕事を終えた彼が言った。
その時の時間は夕方
もう一軒行こか!、、、
その時点でも必死に仕事をしていたので結構クタクタ。
それでもイヤではなかったので彼の言うに通り次の現場へ向かう。
暗くなってから内装の仕事。
彼は慣れた手つきで枠周りのオイルステインを塗っていく。
いつもはこれを1人で熟すという。
おいおい、おいおい彼が言ってたことは大げさではなかった。
自分たちが現場が重なってどうしようもなく忙しい時
やっているようなことを彼は毎日平気でやっていたのでした。
数時間後何とかオイルステインの色付けを終え
彼が言った言葉が
これでクロスを張られても大丈夫!
とりあえずはOKだという。
仕上げはまた後日、
これでまたいつでも仕上げに来ればいいだって!
感覚が違っていた。
いつもと違う環境に行くことで違う体験をする。
これが間違っているとか合っているとかではなく
こういうことをしている人もいるんだ!
いつもの自分に制限を設けているのは自分でしかないんだ。
やり方はいろいろあるんだ。
自分の中で世界が変わった瞬間。
ハッとした瞬間。
当然その帰りには、、、
いつものように楽しい夜を過ごした(笑)
当時はこんなことが当たり前だった。
今振り返ってみるとバブルだった。
何回か休みごとに彼と一緒に仕事をした。
そのまま平日も仕事を続けていた時もあった(笑)
なんか毎日が充実していて楽しくて
そして普段の何気ない仕事に戻ると
それまで変化を求めて落ち着いた先だったその職場も
以前とは様変わりしているように楽しさを失った。
無許可営業
それからというもの仕事をしていてもつまらない。
いつも耳にしない情報も得た。
お金の話も飛び込んできた。
独立している人の話も聞くことになる。
それから暫くして
大工の友人から電話があった。
うちの会社で塗装屋さん探してるけどやらん?
今度新築一軒建てるので塗ってよ!だって
でもな?オレ仕事あるし!
そこで頭に浮かんだのが塗装屋の友人のこと
わかったわかったやるわ!
軽いノリで適当に請けて
暫く忘れてました(笑)
塗装屋友人ともそんな話をしていて
おーやったるわ!みたいなノリで契約(笑)
そして勤めながら新築一軒の塗装工事をやっていて
仕事がおわって見に行ったり
そこには先輩もきてくれていて
友人と一緒に仕事をしてたり
みんな自由に仕事してんな!
羨ましいな!
そんなことを考えるようになって
それまで自分の中でふつふつと湧き上がっていたものが浮かび上がる。
独立だ!(笑)
もっと思い切り仕事がしたいと思って
自分がどれだけできるのかを試してみたくなった気がした。
できるできる、もっとできる。
そう思って取った行動が
社長お話が!
どう言ったかは忘れたが(笑)
社長!オレ独立したいんです!
なにを血迷ったのか
自分が勤めていた会社の社長に言ったのを覚えている。
何もないのになにを言ってるんだコイツは!
そう思われても仕方が無いくらいなにもありません。
それでも社長は
そうか!がんばれよ!って受け入れてくれた。
よっしゃ!オレも独立!
そのときは内心舞い上がっていて
それならと社長は
うちの仕事もしてくれ!
そんなプレゼントまでくれた。
この社長の一言が後の自分を助けてくれるとは
そのときは一切気づきもしませんでした。
とにかく独立独立
オレも自由の身(笑)
ちょっと勘違いをしながらも迎える初日
明後日か?!
フッと我に返る。
何すればいいんだ?
ホントにそのとき思ったんです!(笑)
仕事は?
そんなもん無い。
それでもあまり気にはなりません。
とにかく自由の身ですから(笑)
思いついたのは友人に電話することでした。
オレ独立したから!(笑)
そのときは彼も一人立ちしていた。
といっても以前とは店は変わらず
親方の仕事を手間請けで任されるようになっていた。
なので以前にも増して忙しくなっていたようで
二つ返事で明日から来て!
で初の仕事をゲットしたのでした。
こうして自分の独立がスタートしたのでした。
笑うでしょ!
これが独立って、どの口が言ってるの?
でもその頃はホントに何も考えていませんでした。
というよりか、とにかく自由になりたかっただけだったのかもしれません。
それが自分にとっては独立だったのかもしれません。
独立すれば自分で何でも決められる。
でもこれが一番の魅力でした。
結局、独立ってなによ!
ピンきりですよね?
「どう準備する」のかとか
「どんな資格が必要」なのかとか
「誰の許可が必要」なのか?
何せやったことが無い初めてのことをするので
いろいろ考えてしまいますよね。
でも当時の私はそれさへもなく
ただ自由に仕事がしたいだけだったように思います。
いや遊びたいだけで独立したくらい
なにも考えずにやってました。
「何の準備」もせず
「資格なんて」何もない
「誰の許しも」得ず
許しを得たのは勤めていたところの社長だけ
それ以外はなにも必要ありませんでした。
独立した!
これで塗装店を始めることができました(笑)
それくらいのものなんです。
それが、誰かに相談すると
やれ技術はとか
資格はとか
仕事はどうするんだとか!
ほかにも資金は?
届けは?
なんなら税金は?とか(笑)
訳の分からんことを
やる気も失せてしまうようなこと言われて
ただ独立したいだけでいいでしょ!
やりたいんだから!
それ以外に何がいるって言うんだよ!
なんとかなる!(笑)
こうして塗装店をオープンさせたオレ(笑)
まー適当!
暫く友人の手伝いをしてました。
でも一週間とか?
友人の友人のところへも
あっちも来て欲しいらしいで!
いろいろ声を掛けてもらって
手伝いしまくり(笑)
暫くして疲れたな!
なんて思い出して
そういえばこのときには得意先の工務店が一軒ありました。
大工さんと社長の二人でやってる工務店
ちょくちょく仕事を出してくれるようになっていて
言われれば現場へ行って塗ってました。
でも小さな工務店なので毎日仕事は無い。
その間は手伝いとか行って
これもまた面白くない
というより全然儲からんではありませんか!
仕事も欲しいしお金も欲しい。
そう思っていたときでした。
どうしてる!?
電話は以前勤めていた先の社長
仕事あるけどやってくれんか?
二つ返事でOKして早速乗り込んだ
仕事仕事(笑)
こうして毎日綱渡りのように仕事をしてました。
でも少しずつ仕事はある。
これが正解か不正解かはわからないが
このころの自分は満足でした。
ホントのスタート
ま、言っちゃ悪いですが起業の練習みたいなものでした。
なにもわかっちゃいないのでとにかく一からです。
数年前から準備して計画してきたわけではない。
すべてが初めてのことでした。
こうするしかありませんでした。
誰かが教えてくれるわけでもありませんでした。
聞けば教えてくれるかもしれません。
実際に暫くしてわからんことがあって聞いたこともある。
あとはそれまでに耳にしたことをヒントにしてやっていった(笑)
単価なんかも小耳に挟んだもの
吹付けタイルは幾らで吹いてるなんて小耳に挟むとそれを基準に考えていた。
そのまま使っていたこともあった。
今ならネットを弾けばいろんな情報をゲットできる。
逆にわからなくなるくらい出てくる。
調べることなどいつでもできる。
それならできることから始めてしまえばいい。
やりながら進めていくことも可能なのだから
はじめからすべてが分かるわけはない。
できるわけない。
そのとき思った、どうなりたいかがあればいい。
そこに向かっていけばいいだけなのだから
やれば何とかなる(笑)
ホント?ほんと!
うまく行かなければ
やり直せばいい。
正解なんかない
失敗も無い。
自分が満足してればいい!
ぜーんぶ次へ進むためのハードルみたいなもん
よーいしょと飛んで次に行けばいい。
考えても始まらない。
とにかく一歩踏み出すだけ。
そうすれば次にやるべきことが見つかる。
結局、考えてもわからないのです!
やってみなければ!そうですよね!
たぶん、そうだと思います(笑)
読んでくれてありがとうございます!
また次回書きます。